オーファンズ・ブルース

永遠の夏に、彼らは光を呼吸する。

オーファンズ・ブルース

2018年 / 日本/カラー / 16:9 / 5.1ch / 89分

忘却の予感と共に、旅路をゆく女。
誰かをひたむきに思い続ける彼らの
姿を映し出した“希望”のロードムービー

  • 第40回ぴあフィルムフェスティバルグランプリ ひかりTV賞
  • なら国際映画祭2018 NARA-wave学生映画部門 ゴールデンKOJIKA賞・観客賞

  • 第19回TAMA NEW WAVE ベスト女優賞
  • 横濱インディペンデント・フィルム・フェスティバル2018 Cinefil賞

  • スペインFILMADRID2019正式出品
  • くまもと復興映画祭正式招待
  • 京都デジタルアミューズメントアワード松竹賞

あらすじ

が永遠のように続く世界で生きるエマ。
最近、物忘れがひどい彼女はノートを手放さず、
家にもあらゆるメモを貼っている。
そんなある日、彼女の元に、
孤児院時代の幼馴染であり
現在行方不明のヤンから象の絵が届く。
エマはその消印を手掛かりに彼を探す旅に出た。
道中で彼女は、ヤンと同様に幼馴染であったバンに邂逅し、
その恋人であるユリとも知り合う。
タヒチへ高飛びする計画が失敗した彼らは、
ずるずるとエマの旅についていくこととなる。
その一方で、エマはヤンへの思いを募らせ、
また自らの記憶の喪失が加速していることを恐れ始めていた…。

夏は、終ったのではなくて、死んでしまったのではないだろうか?寺山修司「ひとりぼっちのあなたに 寺山修司メルヘン全集3」株式会社マガジンハウス

解説

終わらない夏に終末感が漂う中で、
誰もが誰かの背中を追い、
誰かを待っている。
カセットテープを
巻き戻していくかのような旅が今、始まる。

異常な高温が続き、誰もが汗ばむある夏の日々を描いた本作は、寺山修司著書の一節から着想された、当時22歳の女性監督が手掛けた渾身のロードムービーである。アジアの異国を思わせる中華街や市場、そして鮮やかな新緑の草原など彼らの旅路を彩る様々なロケーションの移ろいは、観る人を日常からどこかへと連れ出してゆく。日本の見慣れた街並みから外れた“無国籍”な雰囲気が取り巻くこの世界で、私たちは彼らの愛、そして希望を目撃するだろう。第40回ぴあフィルムフェスティバルにてグランプリ・ひかりTV賞を獲得後、なら国際映画祭学生部門NARA-waveではゴールデンKOJIKA賞と観客賞をダブル受賞など、数々の映画祭を席巻した珠玉の作品。

こぼれ落ちていく記憶と対峙する主人公エマを務めるのは、「赤い玉、」や「クマ・エロヒーム」で圧倒的な存在感を放つ村上由規乃。第19回TAMA NEW WAVEにてベスト女優賞を本作で獲得した彼女の演技は、各地で絶賛の嵐を巻き起こしている。エマを受け入れ、共に生きていこうとする少年バン役に上川拓郎。はつらつとして時に切ない彼の姿を丁寧に演じきった。
また、脇を固める俳優陣の圧巻した演技にも目が離せない。エマへ傾いていくバンを振り向かせようとする恋人のユリを演じるのは、映画「温泉しかばね芸者」やドラマなどで活躍する一方、監督作「ぱん。」などが話題の辻凪子。ヤンの妻であり、どこか不気味さを感じさせるペンションの女主人ルカに、「嵐電」の窪瀬環。ペンションに滞在する謎の浮浪人アキを「DRILL & MESSY」、「ウィッチ・フウィッチ」などに出演の佐々木詩音が務める。そして、「赤い玉、」や「ベー。」の吉井優が物語の軸となる人物、ヤンに挑んだ。

ひとつの季節に閉じ込められ、やがて明瞭になっていく彼らの孤独を独特の世界観で描き出した本作。 “忘れゆく”、あるいは“忘れられてしまう”という絶望の中に、この映画は、ある光を映しだした。
スクリーンの中で生き続けていく彼らの姿は決して忘れられない。

CAST

  • 村上由規乃Namae Shimei

    エマ
    エマ
    1994年生まれ。山口県出身。
    京都造形芸術大学に入学後、「赤い玉、」(監督・高橋伴明)でヒロイン北小路律子役に抜擢される。その他の出演作に、「クマ・エロヒーム」(監督・坂田貴大)、「いいことでありますように」(監督・小川泰寛)、「ロストベイベーロスト」(監督・柘植勇人)、「菊とギロチン」(監督・瀬々敬久)などがある。
  • 上川拓郎Takuro Kamikawa

    バン
    バン
    1997年生まれ。大分県出身。
    幼い頃から大分県、福岡県を中心に舞台やCM、ドラマで活動する。上京後に、劇団子供鉅人の舞台「幕末スープレックス」、「マクベス」や、自主制作映画などに出演。現在は俳優業の傍ら、音楽活動にも力を入れており、バンド・貉幼稚園(むじなようちえん)にてドラムを担当している。
  • 辻凪子Nagiko Tsuji

    ユリ
    ユリ
    1995年生まれ。大阪府出身。
    「温泉しかばね芸者」(監督・鳴瀬聖人)にて主演を務め、その他にも間寛平が座長を務める劇団間座や、「わろてんか」(NHK連続テレビ小説)などに出演している。また、阪元裕吾監督との共同監督作である「ぱん。」がプチョン国際ファンタスティック映画祭短編部門にて短編審査員特別賞を受賞。俳優のみならず、監督としての活動も意欲的に取り組んでいる。
  • 佐々木詩音Shion Sasaki

    アキ
    アキ
    1995年生まれ。大阪府出身。
    京都造形芸術大学在校時に主演を務めた「DRILL & MESSY」(監督・吉川鮎太)がPFFアワード2016においてホリプロ・エンタテイメント賞を受賞。その他の出演作に「ウィッチ・フウィッチ」(監督・酒井麻衣)などがある。
  • 窪瀬環Tamaki Kubose

    ルカ
    ルカ
    1995年生まれ。福井県出身。
    京都造形芸術大学在校時に出演した「嵐電」(監督・鈴木卓爾)にて北門南天役を務める。その他「ミは未来のミ」(監督・磯部鉄平)などに出演。また、役者と同時に監督としても活動しており、主な監督作に「天の火」がある。
  • 吉井優Yu Yoshii

    ヤン
    ヤン
    1995年生まれ。京都府出身。
    京都造形芸術大学入学後、「赤い玉、」(監督・高橋伴明)に出演。主演を務めた「べー。」(監督・阪元裕吾)が、学生残酷映画祭2016にてグランプリ、観客賞を受賞。さらに、第19回TAMA NEW WAVEにてグランプリ作品「カルチェ」(監督・植木咲楽)では、康介役を務めている。

CAST

脚本・監督 工藤梨穂 Riho Kudo

脚本・監督 工藤梨穂 Riho Kudo

1995年生まれ。福岡県出身。西加奈子著書「さくら」を読んだことがきっかけで映画の道に進む。京都造形芸術大学映画学科の卒業制作である今作「オーファンズ・ブルース」は、第40回ぴあフィルムフェスティバルや、なら国際映画祭などの数々の国内映画祭で受賞を果たした。この作品が劇場デビュー作となる。

撮影 : 谷村咲貴
 / 録音 : 佐古瑞季
 / 照明 : 大﨑和
 / 美術 : 柳芽似 プロムムアン・ソムチャイ / 
衣装 : 西田伸子
 / メイク : 岡本まりの
 / 助監督 : 遠藤海里 小森ちひろ
 / 制作担当 : 池田有宇真 谷澤亮

配給 ・ 宣伝 : アルミード

「さすらいの青春」は死語だが、
その実態であるエゴは永遠に美しい。
その永遠に『オーファンズ・ブルース』は
不可能な1ページを書き加えた。

青山真治(映画監督)

剥き出しで痛々しくも優しい愛のカタチ
スケッチしたせつない映画だった。
独自の映画センスは私の心を射抜き、
いつか見た懐かしい場所に連れて行ってくれた。

行定勲(映画監督)

俳優たちの何気ない小さな仕草の積み重ねだけで、
約90分の時間をぐいぐい引っ張る工藤監督の才能に感服!

暉峻創三(映画批評家)

主人公たちは成長ホルモンを自我の強化に注ぎ込んだ結果、
みんな童顔のまま大人になってしまったようだ。
その姿があまりに美しくて目がクラクラしてしまいました。
映画祭の審査員なんて本当は誰もやりたくないんです、
でも引き受けてしまうんです。なぜなら『オーファンズ・ブルース』
みたいなすごい映画に誰よりも早く出会えるから

冨永昌敬(映画監督)

映画界の素晴らしい未来への希望がここにある。
この作品に関わった全ての方々に、心からの賞賛を送りたい。

永瀬正敏(俳優)

記憶が長くはもたないらしい村上由規乃を追いかけていく
前半20分を見るだけで、
「新しい日本映画」という
フレーズは、このチームにこそふさわしい言葉だと
思わされるはず。必見です。

安川有果(映画監督)

エマは探す。確かにあったものを。
その旅路は、謎に満ち、その謎を説明されることはない。
だからこそ、我々は感じる。全てを超えて確かにあるものを。
この映画は、かつてない発見の旅を我々に提示し、
PFFの審査員たちを震わせた。

荒木啓子(PFF総合ディレクター)

画面に対するおおらかで瑞々しい野望を、
何とかしてただこのまま受け止めたいと思って最後まで観ました。

柴田聡子(シンガー・ソングライター)

なにはともあれ、出ている人間たちの顔や佇まいがいい。
ひさしぶりに映画で「肌」をみた。
そう簡単にこんな「強靭な肌」は映らない。
夏の強い日差しに焼かれ続け、汗や涙が垂れ流れ、
ペンで文字を殴り書きされ、醜く傷つけられる、
頬や額や腕や指先や首筋の「肌」が、
にもかかわらず終始ピンと張りつめ切っている。
様々な光や炎に照らされるその緊迫した肌理を
みつめているうちにあっという間に終わった。
痛みまくっているはずなのになお、いやそれゆえに美しい、
そんな肌の強さがしかと記録されている。
この映画も失敗や間違いの傷跡だらけと言えるかもしれず、
その傷跡が見る人を惑わせることもあるかもしれないが、
そんなこと御構いなしに凛としようとしている。
『もののけ姫』のサンより
『オーファンズ・ブルース』の村上由規乃だ。

三宅唱(映画監督)

劇場情報

★ 前売券 ¥1,200取扱劇場













関東
東京 テアトル新宿 2019/
5/31(金)~ 6/6(木)
03-3352-1846
東京 アップリンク吉祥寺 2019/
6/21(金)〜29(日) 7/1(月)・3(水)
0422-66-5042
神奈川 横浜シネマ・ジャック&ベティ 2019/
10/26(土)~11/1(金)
045-243-9800
中部
愛知 名古屋シネマテーク 2019/
8/17(土)~23(金)
052-733-3959
長野 上田映劇 2019/
9/16(月)~23(月)
0268-22-0269
近畿
大阪 シアターセブン 2019/
7/13(土)~26(金)
06-4862-7733
京都 京都シネマ 2019/
6/15(土)~21(金)
075-353-4723
兵庫 元町映画館 2019/
8/10(土)~16(金)
078-366-2636
中国・四国
広島 シネマ尾道 10月 0848-24-8222
九州
福岡 KBCシネマ 2019/
9/24(火)
限定
092-751-4268

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